禍津姫戦記
「ハバキこそどうしてここへ来た? 温まりにきたのか」

「たしかに濡れて冷え切ってはいるが……。おまえを追ってきたとは思わないのか」

 ハバキは苦笑し、背中に隠していた花束を無造作にさしだした。
 姫夜は淡い紅色の薔薇を見て、大きく目を見開いた。
 甘い香りが一段と強くなった。
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