禍津姫戦記
 にゅうと牙が突き出し、背骨がみしみしと音を立てて湾曲し、だらりと前にたれた手は地につき爪がのび、みるみる黄色と黒の毛で覆われた。
 尻には長い鱗を持った蛇の尾が生えた。目は黄色い獣の光を帯びている。

「憑かれたか」

 ハバキは剣をかまえ、ヤギラにむかって突進した。
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