禍津姫戦記
 鳥神の翼を広げた姫夜は漆黒の瞳を見開いたまま、笑った。姫夜自身は気づきようもなかったが、その目に光はない。器としてのからだを突き動かしているのは、鳥神だった。
 姫夜は左手で妖獣のあぎとを受け止めたまま、あいているもう一方の手で化け物の喉を締め上げた。

(殺セ――殺セ)
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