禍津姫戦記
 妖獣はどうと倒れた。何かが起こった。びくびくと体がふるえ、獣の毛が見る間にぬけおち、手足が縮み、蛇の尾も消えて、もとの痩せた少年のからだがあらわれた。

「ヤギラ!」

 ハバキがかがみこもうとすると、ヤギラはカッと目を見開いた。
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