禍津姫戦記
その口から、しわがれた妖艶な女の声が漏れた。
「ワザヲギ民ノ生キ残リヨ。ソナタノ兄、伊夜彦ハ、ワガ手ニ落チタゾ」
ハバキははっとしたように姫夜を振りかえった。
闇色の目をみひらいたまま立ち尽くしていた姫夜のからだが、びくとふるえた。
ヤギラに憑いた女の声は続けた。
「ワザヲギ民ノ生キ残リヨ。ソナタノ兄、伊夜彦ハ、ワガ手ニ落チタゾ」
ハバキははっとしたように姫夜を振りかえった。
闇色の目をみひらいたまま立ち尽くしていた姫夜のからだが、びくとふるえた。
ヤギラに憑いた女の声は続けた。