禍津姫戦記
 クラトはすぐに出ていき、那智は姫夜を抱いて奥の寝間へと運んだ。ハバキもそのあとについていった。
 姫夜は死せるごとく、しとねの上に横たわっている。ハバキは闇を封じこめたような虚ろな瞳を思い出しながら、姫夜をみつめた。

(魂は返ってくるのか? もし目覚めてもそれが姫夜でなかったら――)
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