禍津姫戦記
那智は手早く腐臭のする血を拭い、疵痕を厳しいおももちで調べていたが、それらがほとんどふさがりかけていることに気づいた。
「ごらんください。肩の疵はもう治っております。心の臓の音もはっきりしている」
「ならばなぜ目を覚まさない」
「ごらんください。肩の疵はもう治っております。心の臓の音もはっきりしている」
「ならばなぜ目を覚まさない」