禍津姫戦記
 ハバキは姫夜の顔を大きな手で包みこみ、瞳の奥底をのぞきこんだ。その手の熱さに姫夜は声をあげた。

「ハバキ! 手が燃えるようだ」

「たしかにおまえだ」

 ハバキは大きく息をつき、体の力を抜いた。
 姫夜は手をのばしてハバキの頬に触れた。どこもかしこも燃えるようだ。
< 521 / 647 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop