禍津姫戦記
 と、おのれが紅玉を胸にかけただけの一糸まとわぬ姿で、縄でハバキとつながれていることに気づいてぎょっとした。

「なにゆえ、こんな……?」

「おぼえて――いないのか。ゆうべヤギラに毒矢で射られたのを」

 ゆっくりと姫夜は目をしばたいた。
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