禍津姫戦記
「そうだ――!」

 姫夜はとびおきた。縄がぴんと張りつめ、ハバキは顔をしかめてうめいた。
 姫夜は縄をつかんで叫んだ。

「これをほどけッ。すぐに行かねば――」

「だめだ。これは罠だ。みすみすモモソヒメの手に落ちたいか」
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