禍津姫戦記
 ハバキは押し殺した声で命じた。那智は新しい衣を姫夜の前におくと、出ていった。姫夜が衣に手をのばすと、ハバキがするどくたずねた。

「以前にもたずねた。神門とは何だ」

 姫夜はびくりとして、ハバキを見た。

「神門と聞いた途端、おまえは飛び立とうとした。磐座を目指したのだろう」

「…………」
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