禍津姫戦記
「泣くな。モモソヒメは次の満月の日に来いと云った。おまえをおびき寄せるのが狙いなら、それまでは生かしておくはずだ。昨日は朔だった。次の満月までちょうど十五日ある」

「で……でも……」

 子どものようにしゃくりあげる姫夜を、ハバキは辛抱強くなだめた。
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