禍津姫戦記
「西へは斥候を出した。キビやその他のクニに動きがないかも探らせつつ、戦にそなえて兵を三つの砦に集める。満月の夜は、磐座のまわりとクニ境に兵を伏せる」
那智はしずかに目をあげた。
「その夜、磐座で何が起こるのか。それはわからぬというのですね」
「そうだ。雷が降るか、外から百万の兵が押し寄せるのか、あるいはヤギラのように呪に縛られた妖魅が襲ってくるのか、それはわからぬ」
那智はしずかに目をあげた。
「その夜、磐座で何が起こるのか。それはわからぬというのですね」
「そうだ。雷が降るか、外から百万の兵が押し寄せるのか、あるいはヤギラのように呪に縛られた妖魅が襲ってくるのか、それはわからぬ」