禍津姫戦記
姫夜は一瞬、はっとしたように目を上げた。だが、何も云わずにふたたび目をふせてしまった。那智はそれをちらりと見て、云った。
「磐座のまわりに岩でさらに二重三重に結界を張りましょう」
「そうだな。用心するに越したことはない」
那智はいいにくそうに両手をついた。
「もうひとつ。神宝に関してお詫びしなければならぬことがございます」
「何だ」
「磐座のまわりに岩でさらに二重三重に結界を張りましょう」
「そうだな。用心するに越したことはない」
那智はいいにくそうに両手をついた。
「もうひとつ。神宝に関してお詫びしなければならぬことがございます」
「何だ」