禍津姫戦記
 ハバキが重々しく、言葉をついだ。

「その神司はカツラギを救うため、竜神の淵に身を沈めた。それが那智の母親だ」

 姫夜は蒼白になった。

「でも、その神司はオロチを退治たのだろう?」

「オロチが封じられたのちも、カツラギの里は疫病に見舞われ、日照りが続き、多くのものが命を落としたのだ」
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