禍津姫戦記
「ならば五つ揃うているのと同じだということだな? ならばそれでいい。俺はカリハたちと決めねばならぬことがある」

 ハバキが慌ただしく立ちあがろうとすると、姫夜がその手をとらえた。

「ハバキ、那智どのが結界を張る前に、一度ともに磐座へ行ってくれぬか」

 思い詰めたような声に、ハバキは姫夜を見つめ返した。その手が震えている。
 ハバキはうなづいた。

「わかった。これからすぐに行こう」
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