禍津姫戦記
   *

 白銀の鎧に身を包んだハバキは、山の上にある磐座への細い道を先に立ってゆっくりと登ってゆく。
 姫夜はあれから、物思いにふけるように口をつぐんだままだ。
 やがて道が開けた。磐座はカツラギの木々に囲まれ、二人が出会った時と同じように、すがすがしい静謐な空気に包まれていた。
< 566 / 647 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop