禍津姫戦記
 姫夜は力強い目で云った。
 ハバキの脳裡に稲妻のように、モモソヒメを抱いて神門に飛びこむ姫夜の姿がよぎった。

「結界は? 役に立たぬというのか」

「わからぬ。だが、女王が伊夜彦をも上回る力の持ち主だとしたら……」

 姫夜の声はとぎれた。
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