禍津姫戦記
「だめだ!」

 ハバキは激しく叫んだ。

「おまえはどうなる。たった一人になったおまえを誰が守る?」

 姫夜はなにか云いかけて、かぶりを振った。

「ハバキ、だから云ったのだ。わたしは必ず帰ってくると。だからわたしを信じて待っていてほしい」

「俺が待っていられると思うのか」

 ハバキは凄まじい怒りを体から発して姫夜を睨みつけた。
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