禍津姫戦記
「この俺が、一人で待てると思うのか!」

 ハバキは肩で荒い息をしていたが、無言で姫夜を押しのけると、剣を抜きはなった。

「これが厄災を招く門だというのなら、今この場で叩き壊してやる」

「だめ――!」

 姫夜は悲鳴をあげ、庇うように石の柱の前に立ちふさがった。
< 576 / 647 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop