禍津姫戦記
「どけ!」

「ここは神の地だ。ハバキも感じたはずだ。そんなことをすれば神罰がくだる」

 ハバキは不敵な笑みにくちびるを歪ませた。

「面白い。この地を守ろうとしている王の俺に、下せるものなら下してみろ」

 ハバキは剣をふりあげようとして、がくりと膝をついた。姫夜が慌ててその体を支えた。

「見ろ。まだ力が戻ってもおらぬのに、無茶をするな」
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