禍津姫戦記
 カリハはすこし声を和らげた。

「気持ちはわからぬでもないが、そう気を滅入らせていてはもたぬぞ。いくさはこれからも続くのだ」

「そうだな」

「たしかに今度は勝手が違う。そなたがハバキとともに先陣に立つなどと云ったら、妹は烈火のごとく怒るぞ。女たちには神司は神殿にこもっていると思わせておいたほうがいい」
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