禍津姫戦記
 姫夜も強いて明るい声で云った。

「あとで砦をたずねようかと思っていたのだが、すこしだけ時間をもらえぬだろうか。そなたとクラトどの、カヅノに渡したいものがある」

 カリハは面食らったように聞き返した。

「おれたち三人にか?」

「ああ」
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