禍津姫戦記
 姫夜は微笑した。

「勾玉に守りの念を込めてわたしが磨いた。まことは兵の一人一人におくりたいのだが、今日という日になってしまった。だから将である三人に持っていてもらいたいのだ」

「よいのでしょうか? お、おれなんかがそんな尊いものを……」

「受け取っておけ。おまえだけのためではない。おまえが指揮する砦にいるものたちのためでもある」
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