禍津姫戦記
 姫夜は三人と間近く向きあってすわり、翡翠の勾玉を一人一人に手渡した。
 カリハとカヅノに勾玉を渡し、最後にクラトの手にふれた瞬間、姫夜ははっとした。
 アゲハの恋歌とそれに対する返歌が響き合うのが《聞こえ》たからだった。
 三人はそれぞれ大事そうに、玉を懐の守り袋にしまいこんだり、首にかけたりした。
< 613 / 647 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop