禍津姫戦記
「おれ、一生の宝にいたします」

 カヅノは少年らしいあどけなさの残る丸顔を真っ赤にして何度も頭をさげた。
 三人がそれぞれの砦へ戻っていくのをきざはしまで出て見送った。

「アゲハの想い人はクラトどのだったのだな」

 ハバキが驚いたように聞き返した。

「なぜわかった?」
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