禍津姫戦記
 神殿から磐座までは馬を飛ばせば半刻ほどの距離だ。
 駆けつけてきたハバキたちを見て、磐座のまわりを取り囲んでいた兵士たちはどよめき、王を迎える勝ち鬨の声をあげようとした。
 ハバキは手をあげて静まらせた。

「すでにいくさは始まっている。敵はまだ姿を見せておらぬが気を引き締めてかかれ」
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