禍津姫戦記
 ハバキは那智を見た。

「わかった。クラトとともに行け。だが遅くとも申の刻までには戻ってこい。アゲハを取り戻しても、取り戻せなくてもだ」

 カリハが、那智と共に歩き出したクラトの背中に呼び掛けた。

「クラト、おまえに任せる」

 クラトは振り返り、黙ってうなづいた。
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