禍津姫戦記
「あれはアゲハだ、アゲハを口にくわえているぞ」
満月の出が近づいているせいか、妖獣の姿はハバキが見たときの三倍もの大きさにふくれあがっていた。
「火矢は使うなッ」
ハバキが叫んだが、おびえたものは次々とヤギラにむかって矢をいかけた。そうせずにはいられなかったのだ。だが矢は触れたとたん、腐り落ち、妖獣が踏んだ草もたちまち枯れ落ちた。
ヤギラは瘴気を撒き散らしながら、猛烈な勢いで第二の囲みを突き破った。
満月の出が近づいているせいか、妖獣の姿はハバキが見たときの三倍もの大きさにふくれあがっていた。
「火矢は使うなッ」
ハバキが叫んだが、おびえたものは次々とヤギラにむかって矢をいかけた。そうせずにはいられなかったのだ。だが矢は触れたとたん、腐り落ち、妖獣が踏んだ草もたちまち枯れ落ちた。
ヤギラは瘴気を撒き散らしながら、猛烈な勢いで第二の囲みを突き破った。