禍津姫戦記
姫夜は舞い続ける。
高まる音にあわせ、白い腕をさしあげてまわるたびに、長い黒髪が生きているかのようにからだに絡みつく。袖の長い衣が、青、紫、玉虫色にと、透き通る。
そこに居合わせたものはみな、惚けたように松明のあかりに照らし出された、この世の者とも思えぬ舞い姿に心を奪われていた。
高まる音にあわせ、白い腕をさしあげてまわるたびに、長い黒髪が生きているかのようにからだに絡みつく。袖の長い衣が、青、紫、玉虫色にと、透き通る。
そこに居合わせたものはみな、惚けたように松明のあかりに照らし出された、この世の者とも思えぬ舞い姿に心を奪われていた。