禍津姫戦記
「あれに見えるのがフタカミだ。そして昨夜そなたが頭を下げていたのが、カツラギ山だ」

 青い空を背にした山あいから流れくる川が、盆地に流れこみ、銀色の筋となって輝いている。なだらかな山の稜線と空の出会うあたりに雲がたなびき、やがて太陽が顔を出すと、空も山も深い青から紫、そして曙色に輝いた。
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