禍津姫戦記
 ハバキは晴れ晴れとした声で云った。

「俺は生まれた時からこの景色を見て育った。三方を山に囲まれ、南には豊かな川の流れるこの地に、俺は神殿を築きたいと思っている。神が降りたもうのにふさわしい、高楼をそなえた、今まで誰一人として見たこともないほど美しく大きな神殿をな」

「ハバキはすでにこのクニの王ではないのか?」
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