禍津姫戦記
「なぜわかるのだ。口からでまかせを云うと承知せぬぞ」

 姫夜はかぶりを振ったが、激しい吐き気と目眩に襲われて、それ以上口をきくことができなかった。クラトがさえぎるように云った。

「この村にはたしか、鳥神を祀ったほこらがございます」

 たしかにすこし戻ると、崖の下に無惨に黒こげになった小さなほこらがあるのがみつかった。
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