溺愛MOON
一晩経つとそれは夢だったのかもしれないと思うようになった。


だって泳ぐにはまだ気温は寒すぎるし、夜だし、何よりあの青い光の粒たち。

現実とは思えない。


でもすごく……、綺麗だった。

瞼を閉じればあの幻想的な青い光がぼうっと蘇る。


私は観光案内所にいる間もずっと昨夜の出来事ばかりを思い出していた。


観光案内所で私は窓口の前に座っている。

船着場から降りた観光客がそのまま案内所に立ち寄る為だ。


私はそこで船の時刻表と、観光パンフレットを手渡す。
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