溺愛MOON
その後、散々中条さんにからかわれた私は居心地が悪くて、でも窓口から逃げることもできずに、ひたすら縮こまった。
そんな私に中条さんは一枚の名刺を差し出した。
「これ、稲垣さんって人から香月ちゃんに。迷惑かけてすみませんって言付けあったけど、あの人と何かあったんか?」
「え? いえ、たいしたことじゃ……」
言いながら何気なく渡された名刺に目をやる。
そこには稲垣さんの名前の横に聞いたことのある出版社の名前が入っていた。
「出版社……?」
「そうそう。香月ちゃんと抱きあってた人、有名な小説家なんだってなあ。香月ちゃん、ええ人捕まえたな」
「へっ?」
小説家?
あの新聞も読まなさそうなかぐやが?
「おっと、これ内緒の話だでな。ってもう行っちゃったしええか」
「へ? え?」
そんな私に中条さんは一枚の名刺を差し出した。
「これ、稲垣さんって人から香月ちゃんに。迷惑かけてすみませんって言付けあったけど、あの人と何かあったんか?」
「え? いえ、たいしたことじゃ……」
言いながら何気なく渡された名刺に目をやる。
そこには稲垣さんの名前の横に聞いたことのある出版社の名前が入っていた。
「出版社……?」
「そうそう。香月ちゃんと抱きあってた人、有名な小説家なんだってなあ。香月ちゃん、ええ人捕まえたな」
「へっ?」
小説家?
あの新聞も読まなさそうなかぐやが?
「おっと、これ内緒の話だでな。ってもう行っちゃったしええか」
「へ? え?」