溺愛MOON
一人でこなせるように?

私は一体いつまで、ここにいるの……?


「どうかしたか?」


おっさんの声で私はハッと我に返り、「いえ!」と勢いよく答えた。


「おっさ……、あの、中条さん」

「なんだ?」

「海が青く光ったりって……、あると思います?」

「あぁ?」


中条さんの反応に私はやっぱり幻覚だったのかと落胆した。


「いいです……。忘れてください」

「そりゃ、夜光虫だろ」

「……夜光虫?」

「プランクトンの一種だ。刺激を与えると青白く光るんだ。海一帯がガスバーナーの炎みたいに青い時もあるんだぞ。見たならそりゃ運が良かったなぁ。綺麗だったろお?」

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