溺愛MOON
「嘘! いつ!?」

「夜光虫が光った次の日」

「嘘! おばちゃんそんなこと一言も言ってなかったよ!?」

「おばちゃん? ……あぁ、あの飯持ってくるおばさんね」

「おばちゃんがご飯持って来てるの!?」

「毎朝いるだろ?」

「……」


……どうりで、最近毎朝おばちゃんに会うわけだ。

私ひとりの為に掃き掃除に来てるわけじゃなかったんだ。


……なんでおばちゃんは教えてくれないの?

長屋とはいえ、これまで私ひとりで住んでたんだから、お隣さんができたら教えてくれたっていいんじゃない?


しかもわざわざご飯を持って来るっていう特別待遇……。


混乱した頭で考えれば考えるほど、かぐやのことが分からなくなった。

本気でおとぎ話の王子さまだって思ってるわけじゃない。


だけどそれならかぐやは一体何者なの?
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