溺愛MOON
教える? 何を?


「香月にできること」

「……」

「俺の孤独を癒してよ」

「……」

「香月の身体で」

「……」


かぐやの真っ黒の瞳を見ていると、自分がその暗い海に囚われて、溺れていくような気がした。

そこまで言われても何のアクションも起さない私に、かぐやはつまらなさそうに軽くため息をつくと、再び私の首筋に顔を埋めた。


「抵抗しないなら、最後までするよ……?」


その台詞は、言葉の内容とは裏腹に、かぐやの心の痛みを私に伝えている気がした。


かぐやが「助けて」って言ってる。


こんな私を友達はやっぱり妄想癖のイタイ女だって笑うんだろうか……。
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