溺愛MOON
だから私がかぐやを捨てるなんてあり得ない。
だけどかぐやはきっと、元いた世界に帰ってしまうんだろうな。
だってかぐや姫は帝がどんなに守ろうとしても、おじいさんやおばあさんが泣いても、結局本人の意思で帰ってしまったんだもの。
元の世界はかぐや姫にとってそんなに良い所だったんだろうか。
泣いて引き止める大事な人達を捨て置けるくらい?
あぁ、何かかぐや姫って残酷な話だよな……。
捨てて行かれた帝はどうなっちゃったんだろう。
いつかどこかで知らない人と幸せな結婚をしたのだろうか。
私も、いつかかぐやを忘れて、知らない場所で生きていくのかな……。
「ごめん、ごめん! 香月ちゃん待たせちゃったなぁ!」
相変わらずダルダルのポロシャツを泥まみれにして中条さんが姿を現した。
私はハッと立ち上がって「いえ、」と言った。
だけどかぐやはきっと、元いた世界に帰ってしまうんだろうな。
だってかぐや姫は帝がどんなに守ろうとしても、おじいさんやおばあさんが泣いても、結局本人の意思で帰ってしまったんだもの。
元の世界はかぐや姫にとってそんなに良い所だったんだろうか。
泣いて引き止める大事な人達を捨て置けるくらい?
あぁ、何かかぐや姫って残酷な話だよな……。
捨てて行かれた帝はどうなっちゃったんだろう。
いつかどこかで知らない人と幸せな結婚をしたのだろうか。
私も、いつかかぐやを忘れて、知らない場所で生きていくのかな……。
「ごめん、ごめん! 香月ちゃん待たせちゃったなぁ!」
相変わらずダルダルのポロシャツを泥まみれにして中条さんが姿を現した。
私はハッと立ち上がって「いえ、」と言った。