好きな人はお兄ちゃん!?〜兄妹ですが、何か?〜
―タクシーに乗ること数十分後―
「さぁ、着いたわよ♪」
「こ、ここで会うの!?」
今お母さんといる、ここはいわゆる高級ホテル。
明らかに高そうな家具、天井には豪華なシャンデリアに広いロビー。
なんか、大人というか…セレブになった気分。
「あ、将希さんっ!」
お母さんが呼んだ方を見ると、ワイルドな雰囲気の男の人がスーツ姿で立っていた。
あの人が"お父さん"か…。優しそうな人だなぁ。
「歩美! 今日も一段と綺麗だね」
「そう言う将希さんこそ、いつもより格好いいわっ♪」
「歩美…」
「将希さん…」
あーあ、完全に2人の世界に入ってるよ。
2人からのラブラブオーラが眩しい。
「父さん、人前なんだけど」
あれ、この声どこかで…
「おっと、忘れてた。歩美があまりにも綺麗だったから…」
「もう、将希さんったら」
「…ったく、そういうのは後にしてくれよ」
やっぱり!
「本田生徒会長!?」
「…は? あんた誰?」
「あら知り合い? 歩夢と悠希君は同じ学校だから、知ってるんじゃないかな〜とは思っていたけど…やっぱりそうだったのね♪」
お母さん、知り合いも何も…。
あたしの好きな人なんですけど!?