放課後センチメンタル


ーーーーーーー……
ーーーーーー……

「……右京君、ありがとう」



駅のホームで。
彼女は静かに言った。


ーーあの後、しばらくして彼女は落ち着いた。

僕という他人の前でひとしきり泣いた彼女はもう大丈夫、と力強く立ち上がった。
その顔は以前よりもすっきりとしていたように僕は思う。


彼女は列車で一旦実家に帰ると言ったので、僕が行っても仕方がないやら何やら言ってはいたけれど、結局、見送ろうと駅まで一緒に歩いてきた。



「僕は何も、」

「右京君のおかげ」



何もしてないよ、と言おうとしたら彼女に遮られた。

そして、謙遜しないで、とも。

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