放課後センチメンタル


彼女の名前みたいな名字――椿は、とても綺麗で君に似合ってる。


そんな歯の浮くような台詞を思い浮かべてしまった。

さすがに言えなくて、会話が途切れる。


今日のグラウンドは静かだ。

だけど彼女との沈黙は嫌なものではなく、むしろ心地良かった。



「……浅羽、右京君は」


< 21 / 130 >

この作品をシェア

pagetop