放課後センチメンタル


―――――――……
――――――……

その日の放課後。

僕は運悪く担任に捕まって資料室の片付けを手伝わされた。


別に約束してるわけじゃないので急ぐ必要はないけれど、階段をかけ上がる。


いつもの方法で屋上のドアを開けると、やっぱりいつも通りの場所に彼女はいた。



「……っ」



椿さん。

声を掛けようとして、止めた。


――これで何度目だろう。

彼女の涙を見るのは。


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