放課後センチメンタル
彼女は静かだった。
性格が暗いわけじゃなくて、休み時間は本を読んだりして過ごす。
それでも、彼女の周りには多くの人が集まった。
男女関係なく誰かが彼女に話しかければ、読んでいた本をすぐに閉じて笑顔で応えていた。
大笑いするところを見たことはなかったけど、輪の中心に彼女がいるのは明らかで。
クラスの女子が彼女に恋愛相談をもちかけるのも何度か見た光景。
4月も終わる頃には、転校生を感じさせないほどクラスに馴染んでいた。