放課後センチメンタル
「……あの、この間の話なんだけど」
「この間?」
「音楽のCDを貸してくれるって話」
控えめに話す彼女にあぁ、と相槌を返す。
「一度は断ったけど……やっぱりCDを貸してほしいと思って」
一瞬、目を丸くした。
僕が出したこのCDの話のせいで彼女に避けられていると思っていたのに。
数日間のうちにどんな心境の変化があったのか、僕には知る由もないけれど。
「勝手なこと言ってるのは分かってるんだけど……」
申し訳なさそうに言う彼女ににっこりと笑顔を向ける。