放課後センチメンタル
「ちが……違うの」
はりつめた空気を裂くようにひまりは弱々しく呟いた。
小さく震えているのが見てとれる。
「っ、同情なんかじゃない」
「……何が、どう違う?」
自分でも分かるほど低く冷たい声と突き刺すような視線。
ひまりはグッと手を握りしめてそれでもおずおずと顔を上げた。
「……同情、じゃない。だってあたしも右京と同じだから」
「同じ?」
「……二人とも、叶わない恋をしてる」