放課後センチメンタル


再び目の前のクラスメイトに向くとそいつは一人で話し続けている。



「驚いたな~椿さんにそんな暗い過去があったなんて。……なーんか同い年なのに落ち着き過ぎてるって言うか、俺らとは違う雰囲気だとは思ってたけど」

「……お前でもそういうこと感じたりするんだな」

「俺だって何も考えてないわけじゃねーよ!」



あっそ、と気のない返事をする。

興奮している目の前の奴のことは実際どうでも良くて。


彼女が気がかりだった。



「……クラス中、この話題なわけか」

「さすが椿さん、人気者はどんなことでも噂になるんだな~」



彼女は望んでいないと思うけれど。

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