ひとつ屋根の下。
親戚






「ところで…親戚ってどんな人?」



バタバタして聞けなかったから、もうその親戚の親戚の家の真ん前だけど…、これだけは聞いておきたかった。
私には凄く重要なことだから。



「お母さんの昔からの友達なんだけど……って言っても分かんないか。
………あっ!アレよ!樹奈と同じ年くらいの子が居てね~。友達がいっぱい居るような元気な子だって言ってたわよ」

「え」



すぐ仲良くなれるわねぇ、なんて事を言ってるお母さん…。
…いいわけありません。
そんな人と仲良なんてなれないよ…!



「わぁ、いらっしゃい。荷物はもう届いてるよ」



中から出てきたのはお母さんと同じくらいの歳の綺麗な女性。どうやらこの人がさっき言ってた人みたい。
全身から清楚な雰囲気がにじみ出ているような……そんな感じの人。



「ありがとう!恩にきるわ!」

「いいのよ、昔からの縁でしょう?」

「うふふっ」



にこにこと何かを話しながら中へ入ってゆくお母さん同士。
私はその後ろを、ドキドキぢながら黙ってついていく。



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