ひとつ屋根の下。



ど…どうしよう…。何か言った方がいいのかな!?


お世話になるんだもん…!言った方がいいよね!?言わなきゃ駄目だよね!?
でも自己紹介とかは固いかな?
でもでも………。


ああ~~~!どうしよう!!



「…あら、あなた…。」



私に向けられた声に、びくりとする。



「そんなに緊張しないで?仲良くしましょう?」

「…は、はい…。すす、すみません…っ!」



にっこり笑いかけてくれたのに、緊張がとれない。
…私、失礼だよ……。



「大丈夫。すぐ慣れるわ。えっと…樹奈ちゃんでしょう?」

「はい…。」

「これからよろしくね。私は明日香。私の事は二人目のお母さんと思っていいからね。」

「はい…っ。」

「ごめんね、この子人見知りだから。」

「いいじゃない。可愛いわ。ね?」



緊張してばっかりの私に、明日香さんはまた優しく微笑んでくれる。
本当に優しくて…綺麗な人だなって思った。

ここなら、やっていけるかもしれない。
こんな優しい人達に囲まれて暮らせるなら……。



「あ、そうだ朝陽!朝陽呼ばなきゃ」



明日香さんは思い出したように、後ろにある階段の方を向いた。



「朝陽ー!下にいらっしゃい!」

「えー?何でー?」

「いいから早く!」



明日香さんが叫ぶと、返ってきたのは低い声だった。男の子だ…。

トントン、と階段を降りる音にいちいち緊張が走る。
どんな人なのかな…?



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