ひとつ屋根の下。
「こんちわ~~」
何とも軽々しい声が…耳に届いた。
そうして現れたその人は。
茶色のグラデーションがかかった髪は、なんだかきらきらして見える。
優しげなのに、どこか鋭くて透き通っている黒い瞳。
「……///」
「あのー大丈夫?」
「…!!!だ、だ、大丈夫です!!」
いきなり顔を覗きこまれたから、仰け反ってしまう。
私ったら…なんて失礼な…っ!バカバカ~~!
「まっか」
「ふぇ?」
「顔、まっか」
「///」
言われなくても、そんな気はしていました。
全身が熱いくて心臓が落ち着かない。
だってそうでしょう?
誰だってこんな風に近寄られたら、戸惑っちゃうよね?
……私が…おかしいだけなのか?
「初々しいわねぇ~~」
…ん??
「私たちにもこんな時期があったわね、ふふ」
「本当よね!もしかしてこの二人、恋が始まっちゃうかも!」
きゃ~~!と勝手に盛り上がる私のお母さん。
明日香さんも…どこか楽しそうに見えるんですが…。
…まってよ……。私…ただスキンシップに慣れてないだけで…別にそんなんじゃないのにっ。